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iPod touchのブランディング

ブランディング試論
2007.12.05
iPod touchの話はそろそろ終わりにしようと思ったのですが
最後にブランディングの視点から、この製品を考えたいと思います。
以前このブログで展開した「ブランディング試論」の
格好のケーススタディではないかと感じているからです。

実は昨日、総武線の社内で
iPod touchを使っている人をふたり見かけました。
ひとりは40代後半くらいの男性、
もうひとりはやはり40代くらいの女性です。
こういう書き方をすると
「けっこう売れているのね」
という印象になってしまいますが
私がiPod touchのユーザーを見たのは
実はこれが初めてだったのです。
実際にiPod touchがどれくらい売れているのか、
私にはよくわかりません。
でも使っている人を見る機会がこれほど少ないのは
話題になっている割には売れていないのではないでしょうか。

本当のところはわからないのですが
アップルはiPod touchの販売量を、それほど気にしていないのではないか。
それよりも世の中にひとつの流れを作ることを目指しているのではないか。
そういう感じがものすごくします。

iPod touchを機能面から見ると、正直に言って中途半端です。
メディアプレイヤーとして使うことを考えれば
ソニーやCreative、iRiverの製品の方がよさそうです。
というか、iPod nanoを選べばいいんですよね。
でも「新しい体験」を提供しているという点では、
他の製品では絶対に取って代われない魅力があります。
でもこの魅力に負けて買ってしまう人は
それほど多くないでしょう。

10人いたら、8~9人はiPod touchを選ばないと思います。
以前「週刊アスキー」のクロスレビューでも取り上げられましたが
ソニーのアレよりも、点数は低かった記憶があります。
客観的に考えれば、決して“いい製品”ではない。
でも特定の人にとっては、たまらない魅力がある。

iPod touchみたいなガジェットが好きな人の中には、
「これで何ができるだろう」と、いろいろ考える人が
多いような気がします。
2chでは“キモオタ”などと呼ばれているみたいですが
「実際に使えるもの」よりも「可能性を感じさせるもの」の方に、
抵抗しがたい魅力を感じる人々です。
iPod touchはこのような人々に
ターゲットを絞り込んでいると思います。
つまり「強烈な支持をしてくれるユーザー」の獲得が最優先で
今の段階では「普通の人々」に売ることは、
あまり考えていないのではないでしょうか。

なぜそう考えたのか。ここからは私の邪推です。

まずiPhoneとiPod touchのリリース時期に注目してみましょう。
アップルは「携帯電話を定義し直す」というスローガンで
今年1月にiPhoneを発表し、6月から販売を開始しました。
その後、iPod touchを9月に発表、その月のうちに販売を開始しています。
販売開始の時期が、ちょっと近すぎる気がしませんか?
おそらくiPhoneの後にiPod touchが企画されたのではなく
これらは同時に企画されたか、ひょっとすると
iPod touchの方が先に企画されていたのではないか。

ニュースサイトなどでは
「iPod touchはiPhoneから電話機能を省いたもの」
という言い方がされていることが多いのですが
「新しいユーザー体験」という側面から見ると
iPhoneよりもiPod touchの方が、よりコアな感じがします。
言い方を変えれば、iPod touchの価値を理解してもらう手段として
まず最初に携帯電話というエリアに切り込んだのではないか。
つまり「iPod touchを電話に応用したのがiPhone」
というべきだと感じられるのです。
そしてそれが2ヶ月間で爆発的に売れたので
元々のコンセプトをより鮮明に打ち出せるiPod touchを
その後すぐにリリースしたのではないでしょうか。

先にiPhoneを出したのも、機能的に明確なので
市場性が高いと考えたからでしょう。
コンセプチャルなものを最初に出しても
市場に受け入れられるまでに時間がかかるので
大量に売れることは期待できません。
しかし「携帯電話」というわかりやすい形でリリースすれば
それなりに幅広い人々へとリーチできます。
よりコンセプチャルな“コアな製品”は、その後で出せばいい。

そもそもiPod touchは、ハードウェアがiPhoneと全く違います。
これだけ違うものを、わずか3ヶ月で設計・量産できるわけがない。
iPod touchの量産準備は、iPhoneと
並行して進められていたと考える方が自然です。
そのリリース時期をいつにするのかだけが
問題だったのだと思います。

もうひとつ着目したいのが、Jailbreakの存在です。
これはiPhoneやiPod touchの“脆弱性”を利用して
内部で動いているOSXのroot権限を取得し
外部からアプリケーション等を自由に導入し
動かせるようにすることを意味します。

アップルは、ネイティブで動くアプリケーションの追加導入を
正式には認めていません。
現在はまだ、正規の開発手段すら提供されていないのです。
しかしすでに、ネイティブアプリケーションは、
もはやすべてを試すことが困難なほど
ものすごい数になっています。

「新しい体験」の可能性を追求していくには
数多くのアプリケーションが生み出される必要があります。
通常であれば、開発者をパートナーにして
サードパーティアプリケーションの開発体制を整える
という方法が取られるべきでしょう。
しかしアップルは、その方法を取りませんでした。
その結果、短期間で膨大な数のアプリケーションが生まれている。
これは開発者の“ハック魂”を動かしたからだと思います。
邪推ですが、アップルはこれも計算していたのではないか。

iPhoneはリリースされてからわずか3日でハックされ
内部で動いているOSXへのアクセスが行われました。
その後、このハックの手法がJailbreakとして洗練されていくのですが
iPod touchが登場してから、そのスピードが上がっているように見えます。
アップルはiPod touchへのハックを、実は歓迎しているのではないか。
ひょっとすると脆弱性も“わざと”残されているのではないか。
もちろんくどいようですが、これも邪推に過ぎません。

いずれにしてもiPod touchは、それほど多くの数ではないにせよ
特定の人々のマインドシェアをがっちりと握ることに成功しています。
しかも今の段階で心を掴まれた人々の中には、
アプリケーション開発などの技術力を持っている人がおり
インフルエンサーとしての役割を果たせる人々もいる。
初期段階のコアなユーザーを獲得する、というブランディングは
見事に成功しているといえます。

そもそもブランディングというのは、
「ものを売ること」を目的にすべきではないと思います。
ブランディングは「人のココロを動かす」ためのものです。
「人のココロが動く」ことで、世界が変わっていくのです。
つまり「世界を変える」ことを目指すのが、
ブランディングの本質ではないかと思うのです。
iPod touchはこれを短期間で着実に実現している。
これはすごいことです。
このところiPod touch対応を打ち出した無線LANサービス等が
続々と登場しているのも、そのひとつの現れでしょう。
その結果として商品が売れれば、
さらに喜ばしいのは言うまでもありませんが。

さて次のステップはどうなるのでしょうか。
もし私なら、まずiPod touchをiPodブランドから独立させます。
だってiPod touchは、iPodじゃあないですよ。
機能面ではかぶっているところもありますが、本質的にまったく別物です。
例えば「iTouch」といったブランド名を作って
新しいラインにした方がすっきりすると思うのです。

その上で、iTouchのラインアップを増やしていきます。
例えば表示パネルの大きさをもっと大きくした「iTouch slate」とか。
あるいは現行サイズのものを「iTouch solo」にして
パネルサイズを大きくしたものを「iTouch doppio」
なんていうのもいいかもしれません。

iPhoneも「iTouch phone」という位置づけにしちゃえばいいんです。
そうすればシスコとの間の問題も解決するし。
最初にiPhoneを出した時に「iPhone」という名前を使ったのは
短期間で市場を制覇する上で重要な意味を持っていたと思います。
でもiPod touchがある程度の認知を得た段階に入れば
iPhoneという名前は邪魔になってくるような気がします。

とにかくアップルは、iPod touchで見事なほど、
人のココロを動かすことに成功しています。
これが計画的なのか、そうではないのかはわかりませんが
ブランディングを考える上で、実に参考になる事例だと思います。

以上、今週のヨタバナシでした。
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