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医療と価格統制(3)

閑話休題・・・
2008.03.05
また前回の続きです。ドクター不足は医療現場の“環境”が問題なのではないか、それでは環境をいかにして良くするのか、というところまで考えました。この中間的な結論は、それなりに正論であるような気がします。でもよく見てみると、あまり多くのことを語っているとも思えない。

問題はドクターを取り巻く環境の何が問題なのか、ということです。そこで“環境”の中に何が含まれるのかを考えてみようと思ったのですが、ここでハタと気がつきました。ここで“環境を構成する要素”を書き出したとしても、問題解決の道は見えてこないのではないか。

なぜこう考えたのでしょうか。

ドクターが働く環境の中には、給与や報酬の体系、作業場所の過ごしやすさ、忙しさ、勤務時間、最新設備があるか否か、人間関係はどうなのか等々、様々な要素があります。このうち何を重視するかは、人によって異なるはずです。「やっぱり給与がよくないと」という人もいれば、「やりがいが一番」という人もいるでしょう。「のんびり仕事がしたい」という人もいれば、「看護婦さんが美人だといいな」という人もいるかもしれません。「○○の機械(システム)を使いたいから」という人がいる可能性だってあります。「導入されている機械なんかで人が集まるものか」と思う人もいるかもしれませんが、昔のコンピュータ業界では「VAXの最新モデルが導入されているから」という理由で会社を選んだ人もいたらしいですよ。

早い話が「ドクターが集まりやすい環境をどのように作るのか」という設問に対して「たったひとつの正解」というものはない。正解はきっと多様なんです。でも何らかの仮説を立てて、正解に向かって動かなければ現状は変わらない。それではどうしたらいいのか。

私はここまで考えて「これは経営の問題ではないか」と思いました。まず経営者が理念や方針を定めて、方向性を決めていく。そして達成すべき目標をKPI(Key Performance Indicator)として設定し、その上で施策を立案する。施策を実施してKPIがどのように変化するのかをチェックして、次の施策を考え、再び実行する。このような繰り返しを行うことで、それなりの正解が見つかるのではないでしょうか。

もしそうだとすれば「価格統制」というものは問題の一端に過ぎない。しかしそれでも重要な問題である可能性が高い。なぜならこれは、経営の自由度を奪う要素になるからです。経営の自由度が少ないところに、優秀な経営者は集まらない。そもそも根本的な問題は、ドクター不足ではなく、経営者不足ではないのか。

私は医療業界の人間ではありませんが、外側から見てもかなり規制の多い業界という印象を受けます。たぶんかなり制約が厳しいのでしょう。その制約のほとんどは、厚生労働省などの官庁によって決められている。つまり医療業界の実質的な経営者は、官庁ではないかという気がするのです。病院の経営者は、実質的な経営権を与えられているという実感を持っていないのではないか。そうであれば優秀な経営者は決して集まりませんし、優秀な経営者が来ても、そのポテンシャルを発揮することはできません。ダイエー社長を辞められた樋口さんもそうだったみたいですね。

もちろん中央によってコントロールされるシステムでも、うまく機能すればいい。でもこのようなシステムは、往々にしてうまく機能しなくなる。システムが硬直的になって、変化に対応しにくくなるのです。「これは人災ではないか」と言われる災害被害や事件の背後には、支配的な組織が存在するケースが多い。このような事例は枚挙に暇がないので、ここではあえて挙げません。でもわかりますよね。

また机上のロジックで作られたシステムは、思ったように機能しないことが多い。世の中の現象の多くは、どうも理屈通りには動かないようです。考案した施策が目的を果たせるかどうかも、実際にやってみなければわからないことが多いような気がします。

ひょっとしたら「ものすごくアタマのいい人」がいて、その人が考えた施策なら、机上で考えたものでも確実に機能するのかもしれない。その可能性は完全には否定できません。でもここで問題になるのが、彼が提案した施策を採用すべきという判断を、いったい誰が下すのかということです。実際に試してみることなく施策を決める場合には、有識者の意見や関係者の話し合いが、意思決定を左右することが少なくない。そうなると声の大きい人や、多数派の意見が通りやすくなります。でも本当にそれで、目的を達成できる施策を選択できるのか。私は疑問だと思うのです。

「やってみなければわからない」要素が多い場合には、経営者の独断がどうしても必要だと思います。それも精神的にタフで、自分が間違っている可能性があるということも認められる、柔軟性を持つ経営者が必要です。仮説を立てて、試しながらどんどん修正をかけていく。ヨーカ堂の鈴木敏文さんや、ヤマト運輸元会長の小倉昌男さんの「仮説検証の経営」ですね。もしそれでもダメなら、その会社がつぶれるか、経営者が交代することになる。このような「試行錯誤を前提としたシステム」でないと、なかなかうまくいかないのではないでしょうか。

工学をかじったことのある方なら、このような「試行錯誤を前提としたシステム」がいかに有効であるか、よくご存じだと思います。例えばいまモーターとして最も広く使われているのはサーボモーターではないかと思うのですが、これは単に電気で動力を生み出すだけではなく、その動作を電気回路でフィードバックする機構を持っている。つまり実際の動きをチェックして、その結果を制御システムに戻して調整しているわけです。これによって正確な動きを実現している。フィードバックがなければ、正確な動作を行うことは困難です。

医療報酬とかベッド数とかを中央で決めてしまい、病院がそれに従うのは、フィードバックの乏しいシステムだといえます。これでは試行錯誤がうまく機能しないため、なかなか目的を達成できないのではないでしょうか。またフィードバックが働いたとしても、そのタイミングが遅くなる可能性が高い。フィードバックが遅いとより大きな変化が求められる傾向があるため、オーバーシュートしやすいという問題もあります。

こう考えていくと、病院経営の自由度を高め、試行錯誤を行いやすい環境を作ることが前提になる、という結論になりそうです。ただしここでいくつか考えなければならない問題が出てくる。

たとえば病院毎の個別の取り組みを認めるとすれば、診療内容が多様化し、医療格差が生じる可能性がある。これをどこまで認めるのか。「全国一律で所得格差の影響もない医療」を実現するという理想を実現するとすれば、いったい何によってそれを担保するのか。

これはなかなか難しい問題です。そう簡単に答えがでるようなものではなさそうだ。平等を実現しようという取り組みは、多様性を避ける傾向を持ち、結果的にダイナミズムを失いがちになるという、本質的な問題を内在している。しかし多様性がもたらすダイナミズムがなければ、変化への対応は難しくなるし、結局は袋小路に迷い込む可能性が高い。「平等の実現」というある意味高邁な理想と、ダイナミズムの最大化という方向性を、いかにして両立するのかという問題になるわけです。

他にもいろいろな問題がありそうです。ここにはまだ答えはありません。でもこのような観点で医療の問題を考えることも、意味があるのではないかと思うのです。
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